今年発売されたSTUSSYとTALKING HEADSのコラボTシャツ。
まさかのコラボ。それでいてSTUSSYだから、定価もそんなに高くはなかったはず。
ということで狙っていた。ワクワクしながら発売日を待ってた。
けど、やっぱり注目度が高かったのか、価格が安いのもあって購入を検討してる人も多かったのか、思ってた通りに即完売で買えなかった。
TALKING HEADSなんて、すごく注目度が高い訳じゃないだろうと踏んでたけど、さすがのSTUSSY。
しばらくするとメルカリに定価よりほんの少し高いくらいの価格帯で出品されていくそれらを、何ともやるせない気持ちでそれらを眺めていた。
そうやってたまにメルカリで該当のTシャツを調べてると、どうも中古相場よりも、いや定価よりも圧倒的に安いそれがいくらか出品されてる。
「ええ・・・」と思いながら商品説明にも目を通してみると、たまに日本語の使い方がおかしい。
価格帯も、日本語の怪しさも相まって、どっからどう見ても偽物にしか見えないそれ。
でも、本当に本当にごくわずか、3%くらいの希望は捨てきれなかった。
あと、これで偽物が届いたとしたら、それはそれで面白いからブログに書こうと思ってた。
っていうことで買ってみたそれ。届いたそれについて、記事を書くことにした。
怪しすぎるけどメルカリで買ってみたSTUSSYのTシャツ
で、届いたそれがこれ。
白いシールには住所が書いてあるので隠してるけど、ピンクのビニール袋に宛先シールが貼られた状態で到着。
封をしてる部分が下向きに、それも裏側だと思われるそこにシールを斜めに貼るというアバウトなこの感じ。
開ける前から残念な感じが漂うけど、いや最初から偽物なのは間違いなく分かってたはずだけど。
やっぱり欲しかったものなだけあって、僅かな期待も捨てられずにいた。
けどそれも、もはや完璧に打ちのめされた。
中を開けてみると、使い古されたような見た目をしたSTUSSYのビニール袋に入ったそれが顔を出す。
このビニール袋はなかなかリアル。見るからに新しいものじゃなさそうなので、もしかしたらこの袋だけは本物なのかも?とも思う。
ただ、中途半端に開けっぱなしで送られてはきてる。
パンパンになりすぎないように空気を抜くため?とも思ったけど、やっぱり単に雑なだけのような。
裏返すとTALKING HEADSのボーカルであるDavid Byrneの姿が。
STUSSYのフォントも相まって、グラフィック自体はやっぱりめちゃくちゃカッコイイ。
そしていざ開封。全体で見てもやっぱり最高なグラフィック。
この時点でも本物かもという期待はまだ2%くらい持ったまま。
なんなら、本当に出来のいい偽物なら着たいかも、という倫理的にややアウトな考えも頭の中に。
留められているブランドタグの作りも精巧。しかし、ここからほんの2%だけ持ってた「本物かも」の希望は粉々に打ち砕かれることに。
タグを裏返してよく見てみると、商品名を意味する”Name”は「BASIC STUSSY TEE」
なんだそれ。そもそもこのTシャツの正式名称は「STOP MAKING SENSE TEE」だったはず。
値段も書いてないし、シールの貼り方もすごく雑。
肝心のグラフィックもよく見てみると、何だかすごくペッタリした質感。
このTシャツの本物を見たことはないけど、何ならSTUSSYのTシャツもなんとなくでしか見たことがないけど。
本物のSTUSSYって、モノトーンのTシャツならシルクスクリーンのような、ざらっとした質感をしてるイメージ。
より近くで見てみるとこんな感じ。
やっぱり何だか、とてもペッタリしている。濃色処理を施したインクジェットのような。
もっと言うと、シールを貼り付けたような質感のプリント。この両足間のマイクシールドのプリント部分なんて、爪を立ててちょっと頑張れば剥がせちゃいそうな。
本物のTシャツを色々調べてみると、プリントの質感はやっぱりマットでざらっとした質感の様子。
点描まではいかないけど、どちらかというとTシャツにもっと染み込んでそうなプリントの具合だった。
ちなみにバックプリントは・・・うーん、これだけなら悪くない感じ。
今回は大きくグラフィックの施されたTシャツだから分かりやすかったけど、こういう文字だけのプリントだと見分けが少し付きづらいのかもしれない。
とはいえやっぱり、表のクオリティーはあんな感じ。
出来がいいなら偽物でも、とかよからぬことも少し考えてたけど、このクオリティーとなるとちょっと着れない。
さすがにダサいかもしれない。とか言って、他のTシャツで本家も似たような質感だったりしたら大土下座だけど。
品質表記やネームタグの作り込みに至るまで、物の見事
希望が打ち砕かれたので、がっかりしながらもしっかり細部まで、偽物の作り込み具合を見てみることに。
まずは首元のネームタグ。刺繍でブランドロゴを施してるところなんて、もう本物みたい。
裏返してみると英語で手入れの注意書きや洗濯表記がある。
ネットで見かけた、ブランド古着屋さんやメルカリに高値かつ、完売しているそれらを見ると、ここには日本語で生産国とかも書いてあった気がするので、その辺りも作りが違う。
Tシャツ内側、一般的にはよく左下に縫い付けられてる品質表記や諸々の書かれたタグ。
これはなぜかボディ右側に縫い付けられてたけど、本物のSTUSSYもそうなのかな?というちょっとした疑問。
こちらも裏返してみるとブランドロゴ。そう簡単に作れそうなものには見えないけど、細かな部分に至るまで本当にリアル。
ネットで調べてみると、真贋を見極めるための方法がこの辺りにはあるみたい。
確かに学生の頃、バイトしてたリユースの古着屋さんでもSTUSSYのそれを見極めるためのマニュアルがあったな、とか思い出しながら、これは明らかに偽物だと分かってるので、そこまでは確認してない。
出品者に「届いたTシャツ、偽物でしょ?」と連絡してみた
ここまで色々アバウトだとさすがにな、と思った。
ので、明らかな偽物を送ってきた出品者に「Tシャツ届いたけど、偽物でしょ?」と連絡してみた。
すると返ってきたのは上のような返答。
なんというか、これで受け取って評価の際に「ものの見事に偽物が届きました」とか書いてもよかったんだろうけど。
売ってる側としてはそれがいちばん困るんだろうな、という返答。
そもそも、あの価格帯で売ってる時点で買う側も「偽物と分かってて、まあいっか」で買ってるんだろうなという感じ。
僕もそのひとりではあるけど、なんなら何度か書いたようにクオリティーが良しなら着ちゃおうかな、とか思ってた身だけど。
実際、偽物は偽物。細かな部分の作り込みは流石だけど、プリントのクオリティーは低レベルだったように思う。
なお、これで本当に返金されるかが疑問だったので、メルカリの運営側にも似たような内容で問い合わせをしてみた。
後日、恐らくショップ側から上記のスクショ通り本当にあったであろう返金手続きが受理された旨の連絡が届いた。
ただ、ショップ自体はその後も変わらず偽物を出品し続けてる。
メルカリ側としても判断が難しいのかもしれないけど、これといって特に出品停止などを受けてる様子はなさそう。
STUSSYの偽物は思ってる以上に凝った作り込みだった
ということで実際に買ってみたSTUSSYの偽物Tシャツ。
買うときは興味本位だったから商品画像をよく見てなかったけど、僕が買ったショップは商品ページに本物の写真すら使ってなかった。
“偽物そのもの”の写真や「BASIC STUSSY TEE」と書かれたタグをそのまま写真で載せてた。
ということで、よーく見ればその時点で怪しいし(破格で売ってる時点で怪しいけど)、気付ける訳ですね。
不思議なのは商品説明文の日本語はめちゃくちゃなのはもちろんのこと、メルカリでは同じ文言で複数のショップが同じ商品を出品してること。
どこかの業者が作った文言をまるっとコピペして、そのまま真似して売ってるんだろうか。
あと、STUSSYとTALKING HEADSのコラボTシャツはもう1種類くらい、アルバム「REMAIN IN LIGHT」のグラフィックを施したものも公式リリースされてた。
けど、そっちの偽物は全くもって一切出品されてない。
きっとプリントの手間が一気に上がるからなんだと思う。同様の出品者が同じく販売してるSTUSSYの偽物Tシャツがシンプルなグラフィック中心なのを見るとよくわかる。
ただ、やっぱり出品者的にはショップの評価に「偽物だった」と書かれるのが最も嫌なはず。
ゆえに今回みたく連絡を取ってみれば返品不要で返金、真贋には全く触れてこない訳だから、認めているようなもの。
買う側も一部の人は「偽物と分かって」買うんだろうから、それでお互い文句ないのかもな、とか思った。
とはいえそんなことが横行してたらブランドにとってはマイナスでしかない。
ので、今回の僕と同じように、買って返品不要の返金を要求し続けるのは、偽物を販売し続ける業者を潰せそうな手のひとつかもしれませんね。
こういうのがまだまだ、知らないだけで色んなところで繰り返され続けてるんでしょう。
知らないフリして同じTシャツの白でも、同じか別のショップで買ってみようかな、とも思う。
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