池袋・ミカド劇場でストリップ初体験。”エロい”だけじゃない、愛され続ける文化の魅力に触れた日

文化

人生でまだ未体験の、興味のあるものは沢山ある。

色々な文化とか、行ったことのない場所とか聞いたことのない音楽とか、見たことのない映画とか読んだことのない本とかはもちろん、本当に色々。

 

学生の頃から、そういうものに少しずつ触れてきて。

未知のものって大体は経験する前に「ハードルが高い」って思うけど、実際に門を潜ってみるとそうでもなくて。

 

その後には「面白かった」「楽しかった」って思うことがほとんど。

時々「理解するのが難解だった」って思うものもあるけど、それらは少し時間がかかっても、答えがなくても自分なりに消化はできたりして。

 

前置きは長くなったけど、そうやっていくつか興味のある未体験なモノのひとつにストリップがあった。

風俗ともまた違って、踊っている演者さんを見に行くもの。

 

そもそもどこまで脱ぐものなのかとかも知らなくて。けど、漠然となんだか興味はあって。

数年前から、色々な日本の文化の再発見じゃないけど、きっと世代が1周2周とすることで、古くからある文化が若い人の目には新鮮に映る現象があちらこちらで起きているように思えて。

 

ひと昔前よりも性に対してオープンな世の中になったことで、ストリップも「なんだかよく分からないけどアングラな文化」って印象から、雑だけど若者の言葉を使って一言にまとめるなら「エモい」とか「レトロ」とか、そんな風に、それも肯定的に捉えられてるように思う。

 

そういう風に捉える世代と、昔からそれらに慣れ親しんできた世代のちょうど間にいるように、30歳っていう僕の年齢だと思ってる。

なんとなく言葉や存在は知ってるけど、ドラマや映画で見た印象でしかなかったもの。

 

それを実際に体験してみようと思って、友達に声をかけて初めてのストリップを見に行ってみることにした。

 

池袋のミカド劇場で初めてのストリップ

ストリップといえば浅草ロック座、って印象がなんとなくあった。

初めて行くならまあそこかな、って気持ちもあったけど、調べてみると日本には、というか東京には思ったよりも劇場があった。

 

また話が逸れるようだけど、そもそも前から持ってた「いつかはストリップって文化に触れてみたい」と思ってたそれは、伊東にあるまぼろし博覧会に行ってみたときに確固たるものになった。

まぼろし博覧会については以前記事にしたことがあったけど、静岡県の伊東にある博物館。

 

亡くなったおばあちゃんの部屋を、そこにあったものをお孫さんの依頼でまるっと引き取って展示してたり、戦前や戦後における日本の文化を感じさせる当時の展示物があったりする場所。

その様子から一言に「カオス」ってまとめられてYouTuberに面白がられてたりもするけど、僕には館長の文化を大切にする気持ちが所々から強く感じられて。

 

色々な区画に分かれてる中で、ストリップ劇場の雰囲気を感じられる一角がそこにはあった。

既になくなったストリップ劇場のステージや看板を引き取って展示してたり、楽屋の様子も感じられるような展示があったり。

 

全国にあるストリップ劇場を手書きでマップ化したものが展示されてたり。

その一角に触れて、20代前半くらいでざっくりと思ってた「ストリップ劇場に行ってみたい」って気持ちが蘇ってきたんだった。

 

で、東京にあるストリップ劇場を調べてみると、パッと目に入る限りでも渋谷や上野、そして浅草、池袋にあるみたいだった。

ズブの素人である僕ですら名前を聞いたことがある浅草ロック座、最初はそこにと思ったけど、調べていく中でどうやら池袋の劇場も良さそうだ、と思った。

 

池袋はちょいちょい行くから、前から「こんなところにあるんだ」と思ってはいた。

浅草ロック座はAV女優さんも積極的に出演してたりと、老舗でありながら新しい文化を貪欲に取り入れて時代に適応しながら進化していってる印象があった。いわゆる今っぽさのあるステージなのかな、ってイメージ。

 

対して池袋のミカド劇場には、外看板こそ綺麗だけど外観は年季が入ってて、ホームページもそんなに小綺麗じゃない。

必要最低限の情報と、あんまり更新されてなさそうなところがポツポツあるのを見るに、いい意味で時代に適応しすぎず、創業当時からの古き良きそのままの雰囲気を楽しめる場所なんじゃないかと思った。

 

ので、浅草ロック座じゃなく池袋のミカド劇場を選んでみた。

これはこの前、まぼろし博覧会へ行く前に熱海を歩いて思ったことだけど、旅行に行って感じたいのは、その場所での人気スポットや流行りものだけじゃない。

 

駅前の温泉街ストリートもいいけど、駅からずっと離れて歩いた商店街の方が「人が来るから作ったお店」っていうのは少なくて。

食べたいのは流行りのプリンじゃなくて、地元の人から長く愛され続けてる、ご夫婦で営業してる老舗の定食屋さんで出てくるアジフライ定食。

 

そっちを口にした方が、その土地にしかない本当の雰囲気をちゃんと感じられると思ってる。

 

もちろん浅草ロック座を卑下する訳では当たり前になくて。個人的な嗅覚として、自分が触れてみたかったストリップを体験できるのは池袋の方なんじゃないかと思ってのことだった。

 

平日昼間も大盛況。愛され続ける文化にグッとくる

ストリップ劇場の仕組みとして、1日に数回公演はあるけど、1回チケットを買ったらその日は入退場自由でずっと楽しめるってものらしい。

ミカド劇場もそのスタイル、かつ13時までにチケットを買えば早割が効いて4,000円になるとのことだった。

 

10日単位くらいで出演する踊り子さんが入れ替わるみたいだけど、今回は6人の踊り子さんがいらっしゃるスケジュールだった。

1人あたり20分前後くらいの持ち時間。それぞれ4~5曲くらいをバックに踊っては、その後に写真撮影会が開催されるようなスケジュール。

 

それらとエンディングやらを合わせてトータルで、1公演あたり2時間半前後くらいだったのかな。

最初に入ったのが早割でチケットを買った13時ちょい前、既に踊り子さんの演目途中で、それが半分ちょい終わったタイミングだった。

 

入ったらいきなりおっぱい。

花道に寝そべった踊り子さんのおっぱいが入場して数秒で目に入る。

 

既に脱いでて、何よりその後にお股をご開帳してたことに「なるほど、ここまで見れるんだ」といきなり驚く。

ステージに目を奪われてたけど、周りを見渡すと座席は満席、立ち見もぼちぼちの盛況に二度驚く。

 

男性のお客さんがほとんどで、年齢層はやや高め。

平日の昼間からこれだけ多くの人が入ってる、新参者が何を言うって感じだけど、さすが長く愛され続けてる文化だな、と少しグッときた。

ストリップの文化について詳しく調べたことはないけど、さすが”性”は強い。

 

エロだけじゃない、身体性を感じる女性の体の美しさ

入場したタイミングでは既に踊り子さんが脱いでたけど、それから次の踊り子さんが登場して、そこで初めて1人のショーを頭から見る経験をした。

 

登場したときには綺麗な衣装を纏っていて、そこから数曲を経て胸元が露わになり、お股をご開帳される。

それぞれ曲調は異なるものの、数曲を通してストーリー性を感じられる演出や、見続けるにつれてそれぞれの踊り子さんの個性を少しずつ感じるようになった。

 

どういう流れでサビ (ご開帳)まで持っていくのか。どんなタイミングで脱いでいくのか、衣装を舞台袖に投げるのか。

選曲や衣装はもちろん、短い時間の中で流れを作る演出も踊り子さんそれぞれがご自身で考えているんだろう。

 

撮影会でお客さんと話してる様子を聞いてる限り、それぞれの踊り子さんが劇場所属っていうよりは、個人事業主的なスタイルで色んな劇場へ踊りに行ってるように思えた。

出演する日以外は仕事をしてる踊り子さんだっているんだろうか。何もかもを個人で作り上げている姿を想像すると、それはとても格好良かった。

 

普段は隠れてて当たり前の胸元が、そしてこんなにもまじまじと見ることのない下半身が目の前で思いっきり露わになってる。

その光景には性、エロスを感じることはもちろんだけど、何よりそれ以上に女性の体が持つ肉体美、身体性をモロに感じた。

 

モロに感じるのは一糸纏わぬ姿だからそうなんだけど、ポーズを取ったその瞬間なんかはしなやかで綺麗な女性の体が持つ曲線美を最大限に感じられる。

エロい、って気持ちは吹き飛んでしまって、神秘的な美しさを感じた。

 

服で体を隠す文化それ以前から男が本能的に備えてるような、女性の体の曲線美に感じる惚れ惚れとするような感覚。とにかくそれが美しかった。

 

触れ合える距離の近さ、表情豊かな演目で一日中飽きずに楽しめる

早割で入場してお1人分の演目をフルで見て、ストリップ初体験を済ませた後は、入退場が自由だから再入場用の券を貰って外に出た。

そのままお昼を食べて天気が良かったから南池袋公園でのんびりして、カフェでのんびりしてウインドウショッピングをしてから、3回目の公演が始まるタイミングで劇場に戻った。

 

入退場が自由だからこそ、こういうことができる。夜には劇場と同じ建物にある居酒屋、加賀屋でサクッとご飯を食べた。(ここも雰囲気があっていいお店だった)

1日中楽しめるストリップショーの合間に、ふらっと散歩をしながらその街の知らなかった魅力に気付けるのもいいところだと思う。

 

そこで6人の踊り子さんの演目を頭からぶっ通しでまるっと見る経験もした。

同じ踊り子さんでも、さっき見たときとは演目が違ったことにも驚いた。

 

1日4回踊るだけじゃなく、回によって違う演目を行うことにも驚き。

衣装が多くて大変だろうに・・・とかうっすら思うけど。それ以上に、こりゃあ1日いても飽きないって噂は本当だった。

 

演目終了後に踊り子さんが再登場して、1枚500円で写真を撮れる。

撮った写真はプリントアウトされて、次の回以降で受け取れるみたいだった。

 

常連さんは顔と名前を覚えられているようで、その撮影時だったり受け渡し時の踊り子さんとの距離の近さにはアットホームな雰囲気を感じた。

6人を見る中で推しができた僕も、勇気を出して500円玉を握り締めて撮影の列に並んでみた。

 

衣装を着ての撮影も、それを脱いでの撮影にも応えてくれる。

緊張したけど踊り子さんが用意してるカメラで撮影。それを帰り際にロビーで受け取った。

 

撮影の列が途切れたら、踊り子さんが改めて再登場してフィニッシュ。

そのタイミングではチップを渡すことができたりと、踊り子さんの利益にしっかりなりそうな仕組みもあって素敵。

 

初見に優しい常連さん。長く愛されるストリップ文化の魅力に気付く

ストリップ劇場って少し入りづらさはあるのかもしれないけど、一歩足を踏み入れればそこには長く愛され続けているこの文化の魅力が沢山。

前述したような内容はもちろんのこと、足を踏み入れてみるとそこには常連さんが8割くらいに見受けられたけど、それだけコアなお客さんが沢山いるっていうのは文化として本当に愛され続けている何よりの証拠。

 

そして何より、常連さんたちは初見の僕らにとても優しかった。

僕の友達が踊り子さんにチップを渡せば「おーっ」と言ってくれたり。トイレの順番を譲ってくれたり。

 

皆さん心からこの場所を愛していて、純粋にストリップショーを楽しみに来ているんだなってことが本当によく伝わってきた。

踊り子さんに対して、心から応援している気持ちも伝わった。端から端まで愛に満ちた、すごく素敵な空間だったと思う。

 

踊りが素晴らしいのはもちろんのこと、こういった劇場内の雰囲気も相まって、このストリップっていう文化が長く愛され続ける理由も少しわかった気がした。

またミカド劇場に行きたいのはもちろんのこと、次は浅草ロック座にも足を運んでみたいと思ってる。

 

これを後世に残していきたい気持ちすら芽生えるような、素敵な文化だと思った。

今後も色んな角度から触れ続けて、その魅力に迫ってみたい。

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