開戦前夜のノーボアダムズ。下北沢SHELTERでの初ワンマン『退屈の底』を目撃

音楽

最近、ちょくちょく退屈を感じるようになってきた。

仕事にも慣れてきて、毎日同じように働いて。目的もあるっちゃあるけど、果たしてそれに向かって全力投球してるかって言われたら、そうでもなくて。

 

もっと毎日に熱中して生きたい。目をキラキラさせて、楽しくて仕方ない人生を過ごしたい。

目標に向かって燃えて、胸を躍らせて。1日がもう終わっちゃうのかって、その日の終わりを心地よい疲労感と共に迎えたい。

 

とか思うけど、なかなかそうはいってない。昔から薄々思ってたけど、人生って実は長い暇つぶしなのかもなとか思い始めてる。それが確信に変わりつつある。

 

そんな僕の人生にワクワクを与えてくれるものっていくつかある。知らない街を歩いてみたり、したことのない体験をしてみたり。

とかとか色々あるけど、中でも不思議と心を掴んで離さないのが、音楽だったりする。

 

聞いたことのない音楽を聞くのはもちろん、音源を聞いて「これはやばい!」と思ったバンドやミュージシャンのライブに足を運んでみたり。

音楽がかっこいいのはもちろん、グッと心を掴まれる瞬間っていうのは、そのバンドの姿勢だったり音楽への向き合い方みたいなところも大きかったりする。

 

SNSでだったか、ふと流れてきた投稿を目にして知ったバンド「ノーボアダムズ」

Spotifyで配信されてる音源のジャケットには、モノクロの中にどこかで見覚えのある眼鏡を掛けた顔が。

 

音源も聞いていて、ライブにだって行ったことのあるバンド「突然少年」の大武茜一郎さんだった。

よくよく調べてみると、その突然少年を脱退されていたとのこと。そしてドラムの岩本さんと新しく組んだバンドがこのノーボアダムズ。

 

失礼を承知で書くと、突然少年を脱退されていたことも知らなかった。

それを知ると同時に「開戦前夜」や「火ヲ灯ス」「ロックンロールの神様は消えた」といった名曲を聞くことはもう叶わないのかとショックも受けた。

 

ただ、それ以上に大武さんが強い熱を持って組んだバンド、ノーボアダムズが始動して、その初ワンマンを控えていることにワクワクした。

何より配信されている音源「ノーボアダム」がこれまたとんでもなく格好良く、イヤホン越しにも大武さんが叫び歌っている画が浮かぶような熱の籠った曲だったから。

 

2025年8月15日、ノーボアダムズ初ワンマン『退屈の底』

ボアダムって言葉は英語で退屈を意味するらしい。

ノーボアダム。直訳すれば退屈じゃないって意味だけど。

 

その曲からも、日常に退屈やふさぎ込むような気持ち、鬱屈とした感情を感じながらも、それに抗うような熱を感じる。

同時に自分の退屈な毎日にも、火を灯してくれるような情熱を強く感じた。

これはライブで、生でその演奏を見てみたい。かつ、バンドを結成して初めてのワンマンなんて、当たり前だけど一回しかないんだから。

 

始まったばかりのバンド。だけどここまでグッときている。その記念すべき初ワンマンは見届けるべきなんじゃないか、と思った。

発表されている音源が2曲だけのバンド。正直想像が付かないところもあったけど、それらがグッと刺さっただけでも行く理由としては十分だった。

 

当日券を買って入場すると、そこには沢山の人がいた。

大武さんが突然少年を脱退し、表舞台から姿を決してしばらく経った。それからまた始めたバンドの初ワンマン。期待に胸を膨らませるお客さんの熱気が漂う下北沢SHELTER。

 

これは開演前に撮った写真。ステージ上には煌々と光るTENGAが。

今回は協賛が付いてるのか、物販で売ってるTシャツもTENGAのロゴが入ったものだった。

(ライブ中に大武さんが着てて、デザインが格好良かったから終演後に手に入れた)

 

19時40分頃、バンド名も入った、代名詞とも言える曲「ノーボアダム」でノーボアダムズの初ライブ、初ワンマンは幕を開けた。

その瞬間、繰り返し聞いた曲がいきなり演奏された喜びで心が昂った。

まあさっきも書いたけど、まだ世に放たれた曲は2曲だけな訳だけど。いや、厳密に言えばインスタライブで演奏された何曲かもYouTube上には公開されてるけど。

 

フロアに響き渡る轟音ギター。抜群のリズム感を誇る、安定感もありつつ気持ちの籠ったドラム。

クールに演奏をするベースは、レコーディング時のメンバーさんとはまた違う方らしい。

 

この3人でノーボアダムズ。最初はドラムの岩本さんと2人で始まったバンドとのことだけど、最初の演奏を見た瞬間に「最高の相方を見つけたんですね」と勝手に思った、偉そうだけど。

 

曲が進むにつれて汗だくになる大武さん。歌いながら眼鏡も曇る。

一生懸命に汗を流して、真っ直ぐな瞳で歌うその姿に唾を飲む。一生懸命って、やっぱり本当に格好いい。

 

「エモい」ことに重点を置きすぎて、そのパフォーマンスが”一生懸命風”なバンドだっているように僕は思う。

でもノーボアダムズのそれは正真正銘の一生懸命、そこに嘘偽りは一切ない。だからこそ胸をグッと掴まれる感動がそこにはある。

 

もちろん知らない曲がほとんどだけど、そのほとんどは初めて聞いたとは思えないくらい、元からDNAに組み込まれていたかのような親近感があった。

キャッチーなメロディー。そもそも大武さんが作る曲は本当に良いメロディーのものが多く、心に残る。

 

明るくノレる曲もあれば、グッと聞き入るようなエモーショナルを感じる曲もある。

「これは」と思うようなキラーチューンもあってドキドキ。発表の楽しみな曲が沢山あって、これからが本当に楽しみだ。

 

「今日はここに来てくれてありがとうございます」

それまでひたすらに演奏を続けていたバンドが初めてのMC。これからノーボアダムズとして、しっかり活動をしていく旨のトークもあった。

 

本編が終わってアンコール、最後は「ノーボアダム」と一緒に発表されCDにも収録されている「3月の水」で幕を閉じた。

フロアに残る熱気と余韻。たまらず物販へ向かって、この素晴らしい日の思い出にとTシャツとステッカーを手に入れた。

 

10月にはNOT WONKとのツーマンも控えているらしく、これまた素晴らしいツーマン。

NOT WONKは少し前に野口文とのツーマンで見て圧倒された。若くてこんなに正統派なロックンロールバンドがいて、そのファンもまた若くてバンドに熱中してて。

こんなバンドがいるなら、日本のロックシーンってめちゃくちゃ明るいじゃん!と本当に感動するライブを観せてくれた。

 

きっとこれからも本物のロックバンドと共鳴しながら、その活動規模を大きくしていくであろうノーボアダムズ。

これからの活動もとても楽しみ。買ったTシャツは、この素晴らしい日の記憶を刻んだ大切な思い出になりそうだ。

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