生きてるうちには、できるだけ色んなことを知っていきたい。
面白いものに、いっぱい触れていたい。
人生は暇つぶしだなってわりと思い始めてるけど、本当はそうじゃなくあってほしいとか思ってるけど。まあ、今はそんなことはどうでもいいけど。
せっかく生きてるんだから、色んなことを知りたいし、自分の興味のあるそれらに素直で正直に生き続けて、色々を吸収して、人として魅力ある面白い人になりたい。
じゃあそれはどこから吸収するかっていうと、僕の場合は色んなカルチャーって非常に大事だと思ってる。
音楽や本、そして映画。食とかもそうだろうって、ここ最近はひたすらにラーメン屋さんを巡るようになって思い始めてるけど。
映画って映像、音楽、ファッション、照明・・・その他諸々がたくさん絡み合った総合芸術だって、Dos Monosの荘子itが言ってた気がする、たしか。
そんな映画にも色んなジャンルがあるけど、綺麗なだけのそれじゃ、テレビドラマを映画化したそれだけじゃ、感じられない感情がある。
そういう作品って、自分の好きな文化人のおすすめで出会ったところで、サブスクにはなかったり、なんならTSUTAYAでもDVDを借りれなかったり。
そんな中で、まだまだ映画に詳しくなんかない僕からすると「こんな映画って誰が知ってて、誰が見るんだろう」って思うそれらに出会わせてくれる、体験させてくれる場こそが、ミニシアター。
日の目を浴びなかったり、それでも誰かの心にはグサリと深く刺さって、生涯の記憶に残るような作品に映画はなり得る。
映画館に、その作品を見にきた人たちと共有する2時間ちょっとの時間。そこには何だか不思議な連帯感だったり、その場所でしか感じられない気持ちがある。
そんな大切な場。特に、僕にとって、正直すごく頻繁に行った訳じゃないけど、なんだか特別なミニシアター。
それが、千葉県の柏市にあるキネマ旬報シアター。
柏の貴重なミニシアター『キネマ旬報シアター』の存続をかけたクラウドファンディング
何年か近所に住んでたこともあって、映画を観るならキネマ旬報シアターだった。
そんなミニシアターが今、存続の危機らしい。何やら、建物の老朽化による基幹設備の機能不全が深刻で、それらを全取っ替えしないと今後の営業は非常に厳しいとのこと。
そして、今後も営業を続けるための資金を、8月末からクラウドファンディングで募っている。
僕はこの場所で、色々な映画作品に出会ってきた。『早春 (DEEP END)』が日本国内で上映されると話題になったときには、どこで観れるんだろうかと色々探した。
『人生フルーツ』だってそう。そして大ヒット映画の『万引き家族』も。最近はアラン・ギロディ監督の『ノーバディーズ・ヒーロー』もキネマ旬報シアターで観た。

今年5月に『ノーバディーズ・ヒーロー』を観に行った
こうやって出会った作品のどれもが僕の心の中に深く残っていて、そのどれもが他では味わえない、言葉にするのも難しいような感情を与えてくれた。
『人生フルーツ』や『万引き家族』はさておき、それら以外の作品は大きな映画館じゃまず取り上げられない。
そういった作品にスポットライトを当て、その作品の素晴らしさを教えてくれる貴重な映画館。
作品ありきで足を運ぶこともあったけど、その圧倒的に間違いのないラインナップに「キネマ旬報シアターで観る映画なら間違いない」と思ってる。
洋服にだってセレクトショップがあって、服が好きな人なら「このお店がセレクトしてるアイテムに間違いはない」って、信頼を置いた経験があるかもしれない。
キネマ旬報シアターのラインナップは、まさしくそれ。僕はこの映画館に、とてもお世話になった。
都内へ出れば、もっとニッチな作品にもスポットライトを当てているような映画館はきっと沢山あると思う。
ただ、それを都内以外で行い続けている、その姿こそがカルチャーの発信地として絶対的に貴重だし重要。
都内に住んでる今でも、キネマ旬報シアターにしかないあの空気感を求めて足を運ぶことがちょいちょいある。
映画がサブスクでも観れるようになって、映画業界自体が10年前と比べたってずっと苦しくなってるかもしれない。
そんな状況だからこそ、キネマ旬報シアターみたいな映画館がなくなってしまうと、後世に残すべき貴重な作品の数々が、出会うべき人と出会えないかもしれない。
そうなることは避けるべき。大きな映画館で、ヒット作だけが上映されるような世の中になっちゃうと、それは悪いことじゃないかもしれないけど、ちょっと退屈だと思う。
こんなにも素晴らしい場所は、カルチャーの発信地は絶対になくなるべきではない。
キネマ旬報シアターのクラウドファンディング、僕も微力ながら初日に支援をしたところ。
この記事を書いてる時点で、クラウドファンディング終了まで残り52日。現在の支援金額は約1,200万円。
目標金額はとても大きく、7,000万円。クラウドファンディングって始まって1週間くらいと、終了間際にはいくらか支援があったとしても、今みたいな中頃のタイミングがいちばん苦しくて大変なところだと思う。
微力ながらこうやって書いてみた記事を誰かが読んでくれたり、ひょっとしたら拡散してくれたり、支援してくれたりすることを願って。
キネマ旬報シアター、本当に素敵な場所で。ここには絶対にまだまだ、末永く営業を続けていって欲しいんです。どうか、目標金額を達成できますように。
下記リンクからは、キネマ旬報シアターのクラウドファンディングページへ飛びます。
まずは、現場の方が書かれた文章を読んでいただくだけでも、ぜひ。