リサイクルショップとかに置いてある、古着のコートとかアウターが好きだ。
たぶんどっかの古着屋さんが海外から仕入れたであろう古着。
それをどっかの誰かが飽きて売ったであろうそれ。
どっかの古着屋さんでは、いい感じの見せ方をしながら、いい感じのお値段で売られてたであろうそれ。
リサイクルショップとかに行くと、例えば古着屋さんに置いてる商品のような「バイヤーさんが厳選して仕入れたもの」っていうフィルターがない。
その服が「なんかいい感じ」かどうかは、完全に自分の裁量で見るしかないのだ。
無所属感というか、ランダム感というかなんというか。
モノを自分で見て、自分で魅力的かどうかを判断するその感じが僕はなんだかとっても好きだ。
リサイクルショップとかに行くと、いわゆる古着の古着にはそんなにいい値段はついてない。
それはいわゆるレギュラー古着なら、ほとんどの場合はあんまり高い値段をつけちゃうとそんなに売れないからだ、きっと。
モノ自体の良さを自分で見て自分で判断してる人っていうのは、きっと思ってるよりもずっとずっと少ないんだと思う。
ちゃんと説明すればちゃんといい値段で売れるものだとしても、リサイクルショップには接客っていう概念がない。
それもいい。
そこが面白くて、僕はリサイクルショップの、大枠でざっくりと分けられたアウター売り場や、ニット売り場とか、そんな感じのところが好きなのだ。
そんな感じで、リサイクルショップに行くと「こんなにいいコート、こんなに安く売ってるんだ」とか思って魅力を感じる。
でも高いような、なんだかんだで相応な値段がついてるような、とか迷いながら、まあ結局買っちゃうことの方が多かったりする。
埼玉県は川越市にあるセカンドストリートで買ったチェスターコート。
お値段は税込で1,900円くらいだったと思う。
パッと見たときの生地感、ボタンの感じ、ポケットの感じ。
めっちゃいいじゃん、だった。
着たときの着丈も、めっちゃいいじゃん、だった。
若干肩がモコッとしてるのは肩パッドの影響。
それにしてはもっこりしてないなと思うと、どうやら抜いてる形跡があった。
綺麗にそこだけ解いて肩パッドが抜かれてる。
丁寧な仕事してるけど、これは後で縫っておきたいなとか思いながら数ヶ月が経ったりしてる。
にしても肩パッドって本当に、80年代とか90年代にはそれが主流だったというか。
威厳のある、強さのある感じに自分を見せるための道具でありシルエットだったのかなとか想像してみるけど。
時代の流れ的に、男だから強さを求められるとかきっとない気がする。
し、やっぱり世代的にも、肩パッドが入ってるのは何だかナードというか、なんというか野暮ったいなあというか、そんな感覚を持ってる。
トーキング・ヘッズのストップ・メイキング・センスを経験してからは、肩パッドがゴリゴリに入っててもそれはそれでまあいっか的なところも多少ありそう。
だけど、まだまだこの手のコートは面白くよりもかっこよく着たいので、やっぱりごめんかもしれない。
深めのカーキをベースにした生地、糸使い。
光に反射すると所々に、少し明るめの緑色が浮かびあがる、なんとも上品で可愛らしい配色。
ヘリンボーンっていうのかな。
ボタンの色合いの感じも相まって、トータルでこの辺の感じはすごく気に入ってます。
単色の深めカーキ色だけだったら、ここまでは気に入ってないしつまらない。買ってなかったかもしれない。
ポケットは簡素だけど、ちゃんとフラップも付いてて、そんなに深くはないんだけどサイズ的には少しだけ大きくてぽってりした感じがかわいい。
ちょっとチープな感じがするけど、サイズ感まで含めて何だか愛らしい。
いわゆるサイドベンツなスタイル。
そこそこ深めに入ってて、着て横から見たときのシルエットがクラシックで良い感じ。
裏地の赤茶っぽい感じもまた渋くて、カーキっぽい表地との相性も抜群でかっこいい、痺れる。
メイドインイタリー。
モノの良さを自分で見るのはもちろん、この辺の表記にも少し頼って買うところはあるけども。
なんか上質そうなウールマーク。
ニットセーターとかでもたまに見るあれ。
やっぱりなんか良さそうなウールを使ってそうな感じ。
裏地にはビスコース。ニットを着て袖を通しても、するっといってくれる袖通しの良さがあります。
ブランドネームっぽいもの。
一応調べてみてもあんまり出てこない。
イタリアのローカルというかなんかこう、老舗の地に足のついた感じのブランドだったりするのかな。
そして着用写真。
頑張って撮ってみたやつ。
朝、こっそりカメラと三脚を持って人気の少なそうなとこへ行き、シャッターを切る。
恥ずかしすぎるので一瞬で終わるようにパッと撮ってみた。
恥ずかしさは慣れで消えるのかは正直、今のところはわからない。
ただ、一瞬かつ綺麗に撮れるように試行錯誤していきたいところ。
着丈はめちゃ良い感じ。
個人的にはもう少し着丈が長くても、バサッと羽織る感じが好きだったりする。
ただ、愛用してるコートがこれより少し短いくらいだったので、この感じでも満足だ。
横から見ると、サイドベンツのお陰で裾がひらっと開いてる感じもまたかっこいい。
一応の後ろ。
後ろっているのかとか思いながら一応の後ろです。
チェスターコートってけっこう寒いし、買ったところで着ないパターンが多かった。
特にこれみたく、安く買ったやつは「まあどうせ安かったし」的なところもあって尚更である。
それでも着てるこれは、生地感とか裏地の配色、袖通しの良さ。
肩パッドが抜かれてる感じ、着丈、ボタンの配色。
その感じがなんだかんだで使いやすかったり、気に入ってたりするから着てるのかなって思う。
安く買った感じも、生活を共にするために雑に着れそうなところがあっていいのかも。
そう、こういうお宝というか、たまにぐっと気に入っちゃう服があるから楽しいんだよね。
古着の古着を探しにいく醍醐味ってこういうとこだなって、改めて感じさせてくれた、今年大活躍なコートのご紹介。
買った場所: セカンドストリート 川越店
買った値段: 1,900円くらい
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