Lunetta BADAのヴィンテージサングラス「150」

ブランド古着

洋服もパッとデザインを見て「これは少し古そうだな」とかは思うけど、それはアイウェアの方が分かりやすいかも、と思ったりする。

微妙なディテールの違い、レンズが丸を描くその角度がほんの僅かに違ったりするだけで、全体の印象が大きく変わるのがアイウェア。

 

1本を構成する要素は同じでありながら、洋服みたいに何かをプラスしたりするのも難しい。

それでいて全体の印象を大きく変えるのは、かつ少しの仕様の違いでそれらがガラッと変わってしまうのは、デザインする側にとっても非常に難しいことだと思う。

 

古臭いなー、と思うものは、10年にも満たないほど前のものには嫌悪感を感じるかもしれない。

ただ、それが20年や30年も経つと魅力的に思えるのは「今のデザインにはない新鮮さ」をそこに感じるからなんじゃないか。

 

1984年に始動し、時を経て2022年に再始動したアイウェアブランド、Lunetta BADA (ルネッタ・バダ)

ジャパンヴィンテージとも言えるようなそれを手に入れてからというものの、活躍してくれた今年の夏の頼もしい相棒を紹介。

 

BADA GRACE「150」

今でこそ「Lunetta BADA」ってブランド名らしいけど、僕が買ったモデル「150」にはブランド名の表記が”BADA GRACE”とある。

この違いについては正直よく分かってない。

 

僕がこれを買ったのは、都内のとある街の、老舗眼鏡屋さん。

お店の噂を聞いて気になっていたので伺うと、そこは時が止まったままのような空間だった。

 

バディ・ホリーのポスターが貼られ、ロカビリーが流れる50年代のアメリカンな雰囲気がプンプン漂う店内には、店主さんと2匹の大きな犬。

1階は眼鏡屋さん、2階にも商品は置いてあるけども、当時のBADAのリアルヴィンテージが膨大な数、展示されていた。

 

なんて素敵な空間なんだろう、と心を躍らせながら店内を眺めていると、大きな犬が僕らに近づいていくのを見て店主さんも話しかけてくれる。

まるで生き字引な店主さんの、眼鏡に関する豊富な知識による接客を受けていると、軽く2時間近くは経っていた。

 

色々な眼鏡やサングラスを試させていただきながら、ショーケースに台紙付きで展示されていたBADAのサングラスに目が行く。

最終的に3択くらいで悩みながら選んだサングラスが、この「150」だった。

 

前置きが長くなったけど、やっとこさこのサングラスについて書いていくなら、まずはパッと目が行くのはぽってりとした可愛らしいレンズシェイプ。

 

丸とも四角とも取れないような絶妙な形をベースとしながら、たっぷりとボリュームを持ちつつ垂れ下がったレンズ下部のシルエットが非常にキュート。

BADAといえば当時、吉川晃司が愛用していたことでも有名らしいけど、そういった男らしさとセクシーさを演出する他にもこういった可愛げのあるサングラスだってあるらしい。

 

男らしいのもかっこいいけど、ユーモアも忘れちゃいけない。

個人的に大事なポイントを、グッと掴んだユーモアに富んだシルエットにまずは胸を撃たれた。

 

そこが全てと言っちゃ全てではあるけども。

加えて何がキュートかといえば、大ぶりなレンズと対角をなすような短いブリッジ (両レンズ間の橋渡し部)

 

レンズが大きいのにブリッジが短い。このボリュームバランスも何だかユニーク。

80年代にはこのバランスが主流だったのかもしれないけど、最近の眼鏡にはないこの対比はとても新鮮。

 

大ぶりなレンズによく映えるブラックのレンズ。

それでいて大きくなりすぎない、アンバランスになりすぎない秘密は、この比率にあったのかもしれない。

 

どうしても同じようなデザインには飽きるもの。新しいものが出てこないならば、遡れるのは過去だけ。

ありふれていないものには新鮮さを感じるもの。

 

古いものに魅力を感じる要因はいくつもあるだろうけど、ロマンやその他以外ところでは、僕にとってはそんな部分が大きいのかもしれない。

 

あとはこの、カーブの効いたレンズデザイン。

最近のシャープでフラットなサングラスもいいけれど、それらも行きすぎるとギラっとした雰囲気になる。

 

ギラっとした雰囲気は僕にはまるでマッチしない。正面からかっこつけるほど、堂々とした自信も持ち合わせていないというか。

それでも面白いものは好きだから、となるとユーモアを求める方にいくのかな。これで自信を持ったら、どんな方向へ転がっていくのかも気になる。そんな未来も見たいけど。

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